こちらの会社さんにお伺いするために、最寄駅から歩いていると、ぐしゃぐしゃに大破したスポーツカーがレッカーされていくのを目撃した。
「もったいないなあ」
と部下と話しながら会社の前に到着するとその車が駐車場に止まっていた。あらら・・・
お会いしたのは、社員の兄貴分的な方で、どうやら本職の技術も一級品の方。しかも社内でもっともコンピューターに対するリテラシーが高い様子。
「事故車なんかをレッカーしている会社なんですよ」
「そうみたいですね。今見ました」
一通り業務をお聞きした。
高速道路などに事故車両や故障車両、ガス欠車両などをレッカーする。
依頼者はタウンページなどで電話をかけて来た一般の方や、カーディーラーの方、警察の方など。
カーディーラーからの依頼なら、現場近くの支店に届けるし、警察なら警察署、個人の場合は
希望の場所までとなる。
当然事故の状況により、廃車になるものもあり、処分をこちらで行うこともある。
「こいつら、バカばっかりなんで、ややこしいシステムとかダメなんすよ」
と言って古いシステムを見せてくれた。
「ここでも、こうやって、こうやって、こうすれば、検索できるのにね、」
「こいつら、こっちの紙の台帳出して、あほみたいに何冊もペラペラめくって探すんですよ」
「バカでしょうぉ」
古いシステムはWindowsNT4.0上でしか動作しない上に、ハードウェアのほうも満身創痍。
そういう理由で今回作り直すことになったのだが、
「テーマは、こいつらでも使える人に優しいシステム!」
と兄貴から言い渡された。かなり口は悪いが、後輩思いの人である。
提案・制作
さて、今回ほどファイルメーカー向きの案件も少ないよなぁ。というのが正直な感想。
なぜなら、インターフェースの自由度がこのシステムの評価になりそうだから。
そこで、ちょっと大胆な提案をしてみた。
皆さんがペラペラとめくっていた帳票をそのまま画面に写し取ってみた。
それなら、紙を探すのに近い感覚で操作できると考えたからだ。
これが実際に使っている帳票で
こっちが制作したシステムの画面
業務の変化に合わせて、若干の変更は加えたものの、同じ位置関係にしたところ、大変好評だった。
兄貴も満足してくれたようで、FileMakerの特性をいかんなく発揮できた案件でした。
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