昔よりは有名になりましたが、まだ知らない人も多いですよね。
簡単なものなら、素人でもいじくりまわしていると、なんとなくできてしまう、
「直感的に制作できるデータベースソフト」というのが筆者の評価です。
ファイルメーカーPro1本(39,000円)で開発も利用もできます。
もともとはクラリス社が開発したカード型データベースソフト。
開発当初のプラットフォームがMacintoshであったこともあり、
開発者には今でもmacユーザが多い。
FileMaker内のシェアとしてはアメリカが50%、日本が25%、あとの25%は各国といった感じだとか。
ちなみに日本国内のデータベースソフトウェアとしてはアクセスに次いで2位らしい。
後にwinodows版・Linux版も発売されるが、Macintosh、windows、Linux、
3つの異なるプラットフォームで一つのデータベースを共有することを実現したのは
特筆に価すると思います。
やがて、クラリス社から現在のFileMaker社に変更になり、FileMaker5、5.5、6、7、8,と
バージョンアップを重ねていきます。
奇数のバージョンが大胆な変更が加えられたもので、windowsでいうところの拡張子も
変更になっており、旧バージョンとの互換性を捨てています。
偶数のバージョンはマイナーバージョンアップであり、一つ前の奇数バージョンをサポートする
機能追加版的要素が大きいようです。
一般的なデーターベースソフトと違って、開発者よりもユーザーに愛されてきたソフトという
印象が強く、企業の基幹システムというよりは、各部署で使うちょっとしたデータベースと
して活躍してきたようです。
現在活躍している開発者も、その多くはもとは一般企業の勤め人で、業務上必要になった
簡単なデータベースをFileMakerで作ってみたら面白いと思い、気がついたら会社辞めていた。
という人が圧倒的に多い。
企業の現場にあわせたシステムを作るには、ソフトウェアも開発者もそのために存在している
言って良いくらい、ぴったりでしょう。
筆者の独善的な分析によると、FileMakerが今日まで多くのユーザーや開発者に
愛されている理由は以下の3つによるところが大きいとおもいます。
【1】特定のユーザ環境においては、唯一の選択肢だったこと。
初期段階では、クリエイティブな用途に多く使用されたMacintoshにおいてほぼ唯一の
データベースソフトであった。・・・対抗馬というと4Dくらいのものでしょうか
中期以降においては、Macintosh、windows、 Linuxで同時に共有できるデータベースは
webシステムを除けばやはりほとんど唯一。
【2】カード型データベースという、ユーザーに理解しやすい考え方に基づいて作られたものだったこと。
一般的なリレーショナルデータベースに比べ、考え方が非常に分かりやすく、
簡単な業務に使う分にはカード型の考え方で充分だったこと。
【3】機能の実装が恐ろしく簡単なこと。
使いたい機能が簡単に実装できて、すぐに動くという大きな魅力をもっていた。
FileMakerはver7の発売の登場により、今までの性格を維持しながらも、大きな変貌を遂げた。
ver7では他のデータベース同様、1File内に複数のテーブルを持つ構造に変更され、その容量制限も1File8テラバイトに拡大された。(このあたりの内容はFileMakerの進化で詳しく記述する)
事実上、データベースとしての制限がなくなったわけだが、企業の基幹に近い部分で活躍できるかどうかは、これからにかかっているというところでしょうか。